23/24プレミアリーグ22節 リヴァプールvsチェルシー 感想

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プレミアリーグ年間150試合以上見ている筆者の勝手な試合の感想である。
この試合の最大の特徴はサラー、TAアーノルド、ロバートソン、ツィミカス欠場により、奇跡的にリヴァプールの攻撃配置が機能的になっていることである。

上記画像はリヴァプールFC公式HPより引用

Conor Bradley: I just feel like I'm in a dream! - Liverpool FC
Conor Bradley reflected on a ‘dream’ of a night after netting his first Liverpool goal in the Reds’ win over Chelsea at Anfield.

前半のリヴァプールの攻撃時の配置

ベストメンバー時はTAアーノルドが中盤に入ってサラーがブラッドリーの位置。当然サラーは中に入って得点を狙うので、ソボスライが外に出たり臨機応変に対応する。昨シーズンのヘンダーソンも同様。右の大外にでてそのまま駆け上がってクロスあげることも多かった。しかしながら、名監督ユルゲン・クロップはあまり攻撃時の配置気にしない。カウンター中心の戦術ではあるが選手の実力的にプレミアリーグ上位なので基本的にポゼッション率は高いにもかかわらずだ。基本的にカウンタープレスとその後のショートカウンターに非常にこだわる監督だ。

この試合では欠場者多数により奇跡的にアーセナルのアルテタ監督のような機能的な攻撃布陣が完成。

ただし、戦術自体はいつもと同じなのでヌニェスがCBの裏に走ればコナテがロングパス出したり、ソボスライがディアスへサイドチェンジしたり、ロングパスを効果的に多用していた。

ロバートソンまたはツィミカスが先発に戻ってくれば、この布陣にはならないのでこの試合限定の奇跡的布陣である。

前半

いつも通り結局得点は取れないがヌニェスが好調。裏に抜け出したり、足元で収めたり、枠に飛ばないシュートも多いがストラカーらしくシュートを積極的に打つ。前半終了間際、ジョタが獲得したPK。ヌニェスが落ち着いてキーパーの動きをしっかり確認して右ポストにキレイに当てた。失礼ながら笑ってしまった。カウンタープレスをよく効いている。特にRSBブラッドリーがチェルシーLSBチルウェルへジャンプしてプレスし引っ掛けてカウンターの機会を作っていいたのが印象的だった。

一方チェルシーは4-4-2でスタート。特徴としてはCB本職でフィジカルが売りのディサシがRSB。ケガがちのチルウェルがLSB先発。2トップがギャラガー、パーマーでRWGマドゥエケ、LWGスターリング。本職CF不在。正直何を狙っているのかよくわからない選考と配置だ。

基本的にチルウェルは攻撃に特徴がある選手なのでウイングバック的に可変させる、またはRMFとして起用すべき選手だ。左サイドの抜け出しのタイミングが異常にうまく、そのまま得点も取れる選手だ。

通常のタイミング見て上がってくるサイドバックだと魅力が半減。ククレジャの方がよかったりする。

後半

ムドリク、ギュスト、エンクンクIN。ギャラガー、マドゥエケ、チルウェルOUT。ポチェッティーノ監督は大きく選手を入れ替えてきた。ギュストがRSBに入って、ディサシ、チアゴ・シウバ、バディアシルがそのまま左にズレた。エンクンクCF、ムドリクLMFにはいって、スターリングがRMFになった。ギュストはRSBらしくウイングのスターリングと連携して追い越すことで何度かチャンスをつくった。

65分ソボスライのヘッダーゴール。クロスはブラッドリー。ダイクから素晴らしい対角ロングパスが通った。

68分TAアーノルド、ロバートソン、ガクポ、エリオットIN。

ブラッドリー、ゴメス、ソボスライ、ジョタOUTディアスRWGに回り、LWGガクポ。

70分エンクンクがゴール。フィニッシュはまさに独力。ペナ内で振り向いてダブルタッチで一瞬シュートコースを作ってサイドネットに流し込んだ。アリソンでさえノーチャンス。天才的な身のこなしとフィニッシュ。

76分名将ルイス・ファンハールの観戦姿が画面に抜かれた。クロップ(56歳)の後継者がファンハール(72歳)でオランダ代表名物の5バックだったら、それはそれで面白い。コップの方々は頭を抱えそうだが。

78分ディアスがゴール。ヌニェスがラインブレイクしてアシスト。

68分の選手交代後、攻撃時の配置はグチャグチャで右左の大外の高い位置に誰も立っていない時間が多いが、選手の質でゴールがとれる。これがクロップのリヴァプールの最大の強みだろう。

84分パーマーOUTカザデイIN。レスターにレンタルされていた選手だそう。初めて見た選手だ。チェルシーに呼び戻されたということは2部で活躍したのであろう。

終了間際はリヴァプールの芸術的4-3-3プレスに感動するだけの時間になってしまった。

感想まとめ

ポチェッティーノのチェルシーは相変わらず不安定で再現性が低い。絶対的レギュラーはエンソとカイセドの中央コンビとチアゴ・シウバ大先生くらい。当然選手の質は高く、相対的にプレミアリーグの中で弱いわけではない。しかしちょうど勝ち負け半々の10位だ。ポチェ体制始動後7ヶ月。このまま最終結果10位前後だと監督交代だろう。現状エンクンク以外に点を取れる選手がいないのもつらい。

クロップのリヴァプールの奇跡的な機能的攻撃配置を見ることが出来てうれしかった。この試合の後半からは絶対的レギュラーのTAアーノルド&ロバートソンが戻ってきたので次節のアーセナル戦では見られないし、今季はもう同じ布陣の採用はないだろう。

クロップ後継監督の妄想

誰になるか今のところ想像もつかないが、6月に就任する新監督に期待したい。シャビ・アロンソだったら見事に攻撃時3-2-5or2-3-5でポジショナルな配置にしてくれるだろうから毎試合興味深く観戦できるだろう。

逆にレジェンドのジェラードを連れてきてロマン重視の4-3-1-2でもよい。その場合ダイヤモンドの頂点はマクアリスターでアンカーは遠藤。ウイングは不要なのでサラーとディアスは売却だ。アストン・ヴィラ監督時代よく視聴していたが、コウチーニョの天才的ひらめき重視な攻撃は痛快だったし、アンカーのドウグラス・ルイスの視野の広さに感動したものだ。ただしプレミアリーグ予想順位は7~8位だろう。

もしもリヴァプールの新監督がジェラードだったら。妄想フォーメーション。4-3-1-2。

妄想が楽しいが、まずは次節4日後、勝ち点差5で迎える3位アーセナルとの上位対決を楽しみにしたい。